一般の方へ

お知らせ一覧に戻る

岩崎秀雄准教授 国際美術展「ハバナ・ビエンナーレ」に出展


-- 2009/4/6日経夕刊1面において、本学科の岩崎秀雄先生が取り上げられました --


微生物が描く「叫び」

画面に現れたのはノルウェー出身の画家ムンクの名画「叫び」に似た不思議な映像。
近づいてよく見ると、たくさんの小さな物体がうごめいている。地球に太古から存在する微生物「シアノバクテリア」だ。
この映像は数万匹のバクテリアを顕微鏡で拡大し、高感度カメラで撮影したもの。早送りで再生すると、本当に叫び出しそうに表情が変わって見える。
バクテリアに注目したのは早稲田大学岩崎秀雄准教授(現、教授)。本職はバクテリアの行動パターンの研究者。バクテリアの一匹一匹は勝手に動いているが、集団として眺めると、ある形を作り出すことに気付いた。「人の顔のようにみえたり魚のように見えたりする。生命とは何かを考えさせられる瞬間だ。」
なぜバクテリアは集団として眺めると顔や魚ような形をつくるのか。岩崎さんは何らかの法則性かあると確信している。バクテリアたちが生み出す”作品”は研究の副産物。画面の下には様々な切り絵を配置し、バクテリアの映像を組み合わせたところ、海外も注目。3月27日からキューバで始まった国際美術展「ハバナ・ビエンナーレ」に出品した。
欧米ではバイオテクノロジーや生物を使ったアートの試みが盛んという。岩崎さんの元にも美術大の学生が訪れる。科学研究の成果は技術の改良だけでなく芸術にも応用されている。
NTTコミュニケーション科学基礎研究所の渡辺淳司客員研究員は錯覚の研究が専門。研究成果を基に錯覚体験装置を開発した。装置が映し出す映像をじっくり眺めると一本の赤い線が縦に見えるだけだが、目を左右に動かしながら眺めると錯覚で子供や花の映像が見えてくる。若手芸術家の登竜門で新技術を駆使した作品を展示する文化庁メディア芸術祭でも発表した。
科学が理性の支配する世界ならば芸術は感性に訴える世界。両者は遠い関係のように思えるが、映像分野を中心に、研究の成果が美しい芸術作品と評価さるケースや、先端技術で新たな芸術を生み出す例が国内で相次いでいる。研究現場は今、科学と芸術の新たな潮流を生み出すアトリエでもある。(2009/4/6日経夕刊1面より)

 ページの先頭へ戻る