交通システム班 研究目標

山手線や大阪環状線をはじめとする大都市圏の鉄道路線は,朝夕の通勤ラッシュ時における激しい混雑が大きな社会問題になっています.通勤・通学に電車を実際に使っている人であれば,毎日の「痛勤」にうんざりしていることでしょう.

そして,あまりにも激しい混雑のため,乗り降りにも多くの時間がかかり,あるいはドアに荷物が挟まりなかなか電車が発車できないという事態が起こっています.その結果,列車の遅れが発生してしまいます.

交通システム班では,この遅れがどのように発生し,また時間通りに戻すためにどのような列車制御を行えばより良いかを研究しています.

研究の概要

遅れの発生を予測するためには,現在の状況から将来どのような状況に変化するかをシミュレーションする必要があります. また,研究成果を検証するために実際の路線を使うわけにはいきません. そこで,リアルに運行状況を再現できるシミュレータを作成し,この上で研究を行っています.

列車のモデリング

列車モデルの各要素

路線を走っている個々の列車のモデリングを行います.

よりリアルな列車運行を再現するため,

のそれぞれの性能(乗務員の操作)を再現させています.

特に,乗客が列車の乗降にかかる時間は,ラッシュ時の列車遅延の主な原因です. このため,シミュレーションにおいて乗降時間を如何に正確に算出するかがキーポイントになります.

列車群運行管理システム

列車群運行管理システム

列車がそれぞれ勝手に走行するわけにはいかないので,これら列車群の運行管理をするシステムを作成します.

列車群運行管理システムの2大要素は

です.

信号システムは,路線上を走行している列車が追突するなどの事故を防止するため,各列車に出してよい速度を指示するためのシステムです. シミュレータ上においても列車事故が起きてはならないので,信号システムを正確に再現することは必須です.

輸送指令は,路線上の各列車の運転状況に応じて,それぞれに適切な指令を送ります. 列車の遅延が発生した場合,ダイヤどおりの運転に回復すべく,輸送指令員が適切な指令をしなければなりません.

本研究では,この輸送司令員の作業をサポートし,あるいはこれに代わるものを開発することを目標としています.

これまでの研究

2005年度では,乗客流動を解析することを目的として,以下の2つの研究を進めてきました.

これを受けて2006年度では,昨年度残された課題である列車群運行シミュレータにおける乗客流モデルの確立と, エージェントシミュレーションにおける,乗客の降車→乗車の流れの再現を目標として研究を進めました.

列車の挙動 シミュレーション結果

2007年度の研究

2006年度に引き続き,列車群運行シミュレータの作成を行います. 今年度は,列車遅延発生の主要因である乗客のモデリングと,ダイヤ回復のための列車制御手法の考案に着手しています.

FAQ(今度研究室配属される4年生へ)

鉄道マ○アじゃなきゃ駄目ですか?
そのようなことはありません.現に,非マ○アの人が研究メンバーです. ただ,当然ながら研究に必要な内容は勉強してもらわなくてはいけないので,「鉄道と聞いただけで寒気がする」様な人には向かないと思います.
それでは逆に,マ○アでは駄目ですか?
前提知識があれば研究するにあたってに有利なことは間違いないでしょう(マ○アが優先的に配属されるわけではありません). ただ,この研究をしたからといってマ○ア的知識が増えるわけでは決してありません.
どんな人がこの研究に向いていますか? また,何か必須とする能力はありますか?
あえて挙げるならば,「この研究に興味を持った人」でしょうか.
一般的な研究室選びとまったく同じで,自分がやりたいと思った研究を選ぶのが一番です. これから先1年または3年間も,まったく興味のない研究をするのは苦痛ではありませんか??
必須する能力は,「日本語でコミュニケーションが取れる」ことです:-) 後はモチベーション次第で何とでもなります.
鉄道会社への就職の近道ですか?
いいえ.就職先は皆さん自身の努力次第です.