concept

超電導の研究を通じて
未来につながる
新技術を創生する

超電導応用研究室石山 敦士 教授

担当科目:電磁気学、エネルギー変換

  • 研究紹介research

    「超電導」という素晴らしい現象を安心・安全、持続可能な社会づくりに役立てるための研究に励んでいます。例えば、超電導電力ケーブルなどの電力機器や究極のエネルギー源の一つとして期待される核融合炉用大型超電導マグネットなどのエネルギー分野への応用や、がんの早期発見に欠かせない医療用MRI(磁気共鳴イメージング)やがん治療用加速器(遠隔転移等の進行がんへの効果が期待されるα線核医学治療用)などの医療応用を目的とする超電導マグネットの研究・開発を行っています。

  • メッセージmessage

    磁気浮上式鉄道(リニア新幹線)や医療用MRI(磁気共鳴イメージング)などに用いられる超電導マグネットは、少ない電力で大きな空間に高磁場・良質な磁場を発生できる能力を持っていますが、マグネット内で起きている電磁的・熱的・機械的挙動は特異でとても複雑です。私たちは、実験や数値シミュレーションに基づいて、超電導マグネットの物理的振舞いを解明し、その能力を最大限に引き出そうとしています。皆で協力し合いながら進めるチーム型研究をモットーにしています。

研究説明research activities

超電導現象・技術の応用が期待される分野は多岐にわたっていますが、環境問題がより顕在化してきた今日、省エネルギーやCO₂削減効果が期待できるキーテクノロジーの一つとして、そして高齢化社会の進展に対応していくために不可欠な技術として、世界各国で研究開発が活発化しています。私達は、超電導応用に関する研究として、1) 電力応用分野:再生可能エネルギー対応超電導電力貯蔵装置(SMES・文科省科研費:挑戦的萌芽研究「超高貯蔵密度を実現する革新的高温超伝導コイル化 α線核医学治療のためのα線放出RI(放射性同位体)製造用の小型・高強度・出力エネルギー可変(世界初)の加速器「スケルトン・サイクロトロン」用高温超電導コイルシステムの開発 α線核医学治療のためのα線放出RI(放射性同位体)製造用の小型・高強度・出力エネルギー可変(世界初)の加速器「スケルトン・サイクロトロン」用高温超電導コイルシステムの開発 技術に関する基礎研究」)など、2) エネルギー分野:核廃棄物処理を目的とする大出力加速器(文科省科研費:挑戦的萌芽研究「核廃棄物処理のための大出力サイクロトロン用超伝導コイルシステムの設計研究」)や核融合用超電導マグネット(量子科学技術研究開発機構QSTとの共同研究)など、3) 交通・運輸分野:電気推進船用超電導同期電動機など、4) 医療分野:超高磁場MRI(核磁気共鳴イメージング)や進行がん(遠隔転移)治療用サイクロトロン型加速器(文科省科研費:基盤研究S「次世代医療用高温超伝導サイクロトロンの設計原理と開発基盤の確立」)など、を対象とする研究を、大学や国立研究機関、民間企業と協働して進めてきました。特に、超電導技術分野を中心に活躍している石山研出身の研究者達との連携が大きな力になっています。

石山研では、精緻な数値解析技術(独自開発)に基づく特性評価や、各種最適化手法を改良・駆使した機器設計に基づく研究が、当研究室の主要テーマ・研究アプローチの特徴・基盤として引き継がれてきました。例えば、超電導マグネット内の特異で複雑な電磁的・熱的・機械的振舞いを実験だけでなく、それを数値計算により解析し、現象を可視化することによって解明していくというアプローチが大きな特徴となっています。(文科省では、「超伝導」と表記)

profile

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略歴ー

  • 1979年早稲田大学 理工学部 助手
  • 1983年早稲田大学 理工学部 専任講師
  • 1985年早稲田大学 理工学部 助教授
  • 1986年~1988年米国MIT Francis Bitter National Magnet Lab. and Plasma Fusion Center客員研究員
  • 1991年早稲田大学 理工学部 教授(現、理工学術院 教授)
  • 2007年~2010年早稲田大学 先進理工学部長 兼 大学院先進理工学研究科長
  • 2010年~2014年早稲田大学 研究推進部長
  • 2014年~2018年早稲田大学 理事(研究推進担当)

学歴ー

  • 1977年早稲田大学 理工学部 電気工学科卒
  • 1979年早稲田大学 大学院 理工学研究科 電気工学修士課程修了
  • 1983年早稲田大学 大学院 理工学研究科 電気工学博士後期課程修了