concept
パワーエレクトロニクス・モータドライブ技術で賢く電気を使う!
電動モビリティシステム研究室近藤 圭一郎 教授
担当科目:回路理論A・同演習、回路理論B・同演習、
電気機器、パワーエレクトロニクス、
パワーエレクトロニクス特論
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パワーエレクトロニクス・モータドライブ技術で賢く電気を使う!
電動モビリティシステム研究室近藤 圭一郎 教授
担当科目:回路理論A・同演習、回路理論B・同演習、
電気機器、パワーエレクトロニクス、
パワーエレクトロニクス特論
近藤研究室では電力変換回路(パワーエレクトロニクス)技術、モータドライブ技術の研究と、およびこれらを基盤技術とした、電気鉄道、自動車・飛行機の電動化、そして生産設備や家電製品などに応用する研究を行っています。これらについて、実際のハードウェアやシステムを想定し、そのモデル化、解析、および実験などの「モノに即した研究」を行っています。具体的なモノを想定した研究により、世の中で技術がどのように使われ、そして問題を解決していくのかを実感として理解してもらうことを目指しています。
近藤研究室の理念は、便利で豊かな暮らしを、エネルギー面で持続可能な形で維持することです。具体的には、化石燃料枯渇対策やカーボンニュートラルの実現に寄与することでこれらの実現を目指します。研究の対象は、電力を自在に制御する技術であるパワーエレクトロニクスや、エネルギー変換を効率よく行うモータドライブとそれらの応用に関する技術です。また、これらの研究を通じて、問題を解決するために必要なコミュニケーションの取り方と論理的思考の訓練を行い、競争力あるエンジニアを育成しています。
近藤研究室は、パワー半導体スイッチングデバイスのON・OFFで回路の電力を制御するパワーエレクトロニクス技術、および磁束を媒介としてエネルギー変換を行う、変圧器や電動機などの電気機器の制御技術を基盤とし、電気エネルギーを賢く使う技術の研究を行っています。具体的には、実際に世の中で使われている機器やシステムの機能や性能の向上を目指し、電磁気学、回路理論、制御工学、電子工学などの学問分野に基づいて、方法論(技術)の構築を目指しています。研究対象としては、鉄道車両、自動車、航空機、船舶などのモビリティ(移動体)の他、製造設備の電気駆動システム、発送電における電力制御機器、家庭電化製品などを扱います。研究テーマの例としては、以下のようなものが挙げられます。
非接触給電技術の研究では、鉄道車両や自動車などの移動体に数100kWクラスの電力を送るための非接触給電コイルを始めとしたシステム構成の在り方と、電力変換器の制御技術について研究を行っています。
蓄電装置応用では、自動車や鉄道車両などの移動体の回生エネルギーを少ない蓄電装置容量で吸収・再利用するための充放電制御法や、エンジンや燃料電池とのハイブリッド電源による鉄道車両や自動車駆動系の燃費向上、コストダウンの研究を行っています。また、電気鉄道における地上蓄電装置による新たな価値創造のための技術の研究も行っています。
また、電気自動車の電力変換システム小型軽量化や、交流電気鉄道車両の大容量電力変換回路の小型軽量化のための制御技術或いは、電力系統に導入が進む電力変換回路の制御機能の向上などの研究も行っています。パワーエレクトロニクス技術の普及とともに課題となっている、スイッチングに伴う電磁妨害に関する研究も鉄道車両を対象に行っています。そして、誘導電動機制御における制御系設計法の再構築や、鉄道車両駆動時のオートチューニング手法、磁気飽和の強い同期機のトルク制御法の確立、変換器のデッドタイムの影響が電動機制御に与える影響を軽減する研究など、パワーエレクトロニクス・モータドライブ応用の研究も行っています。
近藤研の研究テーマは殆ど全てが企業との共同研究です。したがって、実際の技術を対象に、現役のエンジニアとともに自身の技術を磨きながら、研究に携わることができます。また、研究におけるコンピテンシーとして、実際の問題を切り出した実験室レベルでの実験や、実機を対象とした数値シミュレーション、場合によっては共同研究先の実際の鉄道車両や設備などを利用した実験などを通じた習得ができます。したがって、実施に「モノや回路を動かす」ことを中核にハードに即した研究を行えることが、将来のエンジニアとしてのスキルとセンスの向上につながると考えています。また、これらの研究を通じて学生諸君の研究成果が社会実装され、カーボンニュートラルや化石燃料枯渇対策など、直接的に世の中へのインパクトを与えられる機会が得られるのも近藤研究室での研究の魅力と自負しています。