concept
生体分子のふるまいを見て、
脳の動作原理を明らかにする
生物物理学研究室坂内 博子 教授
担当科目:電気・情報生命工学フロンティア(1年生前期)、
生命科学B(1)(1年生後期)、
脳神経生理・病理学(3年生前期)、
生物物理学特論(大学院)、
生命の情報と進化(大学院)
concept
生体分子のふるまいを見て、
脳の動作原理を明らかにする
生物物理学研究室坂内 博子 教授
担当科目:電気・情報生命工学フロンティア(1年生前期)、
生命科学B(1)(1年生後期)、
脳神経生理・病理学(3年生前期)、
生物物理学特論(大学院)、
生命の情報と進化(大学院)
生物物理学研究室では、生体を構成するタンパク質分子の構造・機能や動態というナノスケールの生命情報から、将来的に診断や治療につながる脳神経疾患の発症メカニズムの解明を目指しています。生きた神経細胞の分子の動きやシグナル伝達を可視化し、細胞に起こっていることを実際に「見る」ことができるのが当研究室研究の特徴です。アルツハイマー病発症機構の解明につながる、新しい分子プローブや光遺伝学ツールの開発も行なっています。
人間のふるまいにその人の考えが現れるように、分子のふるまいにも多くの情報が現れています。「分子のふるまい」という脳の一番小さい構成単位の声を「聴く」ことにより、記憶・学習のしくみや、脳神経疾患の発症機構を知りたい。そして、すべての生物に共通する根本原理を知りたいと考えられています。数十億年という長い時間をかけて進化が作り上げた、美しく無駄のない生物の設計思想を明らかにすることは、これからの社会にも役立つと考えています。
膨大な情報処理を行う脳は、よくコンピュータに例えられます。しかし、脳を構成する部品であるタンパク質や脂質は一生を通じて常に入れ替わっている、という点で、脳とコンピュータは大きく異なります。常に部品が入れ替わっているなかで、どのように脳という構造が保たれ、
神経細胞間に形成された「シナプス」は記憶・学習の基盤となる構造であり、シナプスの異常は脳神経疾患の原因にもなります。当研究室ではこのシナプスの形成機構や、疾患においてシナプスに異常がおこる過程を明らかにする研究を行っています。
記憶・学習・思考といった高次の機能を果たすことができるのでしょうか?アルツハイマー病などの脳神経疾患は遺伝子やタンパク質の変異が原因とされていますが、なぜその変異が重篤な症状を発症させるのかは解明されていません。当研究室では、生体を構成するタンパク質分子の構造・機能や動態を生きた細胞で「見る」ことで、記憶・学習の仕組みや、脳神経疾患の発症メカニズムの解明を目指しています。
(1)神経伝達の基礎となるシナプスの動作原理を明らかにすることにより記憶・学習といった脳の動作原理を明らかにする「生理学的研究」、(2)アルツハイマー病やパーキンソン病の発症機構を分子のふるまいから明らかにしようとする「病理学的研究」、また(3)生物物理学の最新の知見を活用して新しい研究ツールを創出する「新規技術開発研究」を柱として、研究開発を行っています。